大麻(たいま)ないしマリファナ (Marijuana[1]) は、アサの花・茎・葉を乾燥させ、細かく切り刻み、調理または燃やすなどして発生した煙を吸引して使用する薬理作用のある植物であり、嗜好品や医療薬として用いられている。
マリファナはメキシコ・スペイン語で「安い煙草」を意味する。これは大麻の繁殖力が強く、野草として自生していたために安価に手に入ったことからメキシコでこの呼称が一般的になり、これがアメリカへと伝わって世界中にマリファナという呼称が定着した。
日本において衣類、紐(ひも)、縄(なわ)、神道における神社の注連縄、相撲の化粧まわしなど、歴史的に使われてきた繊維としての大麻は大麻草、医療薬としてしての大麻は医療大麻より。
薬理作用のある植物であり、日本では大麻取締法による規制を受ける麻薬(痲薬)[2]の一種に分類されている。日本では、無許可所持は最高刑が懲役5年、営利目的の栽培は最高刑が懲役10年の犯罪である。
イギリスの薬物乱用防止法[3]では薬物の危険度順(ABC)に分類[4]し、大麻はクラスBに分類されている(2009年1月よりクラスCから再度格上げ[5])。オランダのあへん法においては、ソフトドラッグの区分に分類されている。世界ドーピング防止規程[6]では、興奮剤やヘロイン等の麻薬と共に大麻の主成分であるカンナビノイドが競技会において禁止薬物に含まれており、アルコールと共にカンナビノイドが特定物質[7]に含まれる。長野オリンピックのスノーボードの試合で金メダルを獲得したロス・レバグリアティ (w:en:Ross Rebagliati)がドーピング検査の結果大麻の陽性反応が出たため、メダルが剥奪されかけたが、オリンピックの時点では、まだ大麻を吸っていなかったことなどから、最終的に処分は取り消されている。
アサの葉及び花冠に含まれるテトラヒドロカンナビノール (THC) や他の物質は、カンナビノイド受容体に作用し陶酔作用を引き起こす。アサの成分は品種によって大きく異なり、THC以外に含まれる成分のバランスによって効果に違いが生じる。特に、ラマルクにより命名された亜種のインドアサ (C.indica Lam) は2000年以上前から中央アジアで品種改良され、一般的な大麻より多くの陶酔成分を含むので一般に嗜好品としての大麻と言えばこのインド麻を指す。また、インドやジャマイカなどではガンジャ(神の草の意)と呼ばれる。嗜好品としてだけでなく日常的な労働の中でも用いられる[8]。ただし、大麻を含め麻薬は当地でも違法であり、厳重に処罰される[9]。しかし、特に最近インドでは大麻やハシシの所持や密輸未遂などで逮捕される日本人が増加している[10]。
産業用のアサは、陶酔成分が生成されないよう改良された品種が用いられる。また、品種が同じでも産業用と嗜好用とでは栽培方式が異なる。前者は縦に伸ばすために密集して露地に植えられる方式が主であるが、後者は枝を横に伸ばすために室内栽培が多い。そのため嗜好目的のためのアサを産業的栽培だと偽って栽培するのは困難である。また、大麻成分の研究が目的の場合、合成のカンナビノイドが使用されるため、栽培はされない。法規制により、人体による実験や研究は不可能であるが、動物を使った研究が日本国内でも行われ、主に九州大学薬学部、北陸大学薬学部、福岡大学薬学部などが大麻の研究を行っている。
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